プロフェッショナル・オーディオレコーダーのアメリカ製造メーカー。833モデルは32ビットフロート録音、12マイク入力、ロケーション録音用のDanteネットワークに対応。
技術的詳細
833のような最新のSound Devicesレコーダーは、最大192kHzのサンプリングレートで32ビットフロート録音を行い、個別のリミッターを備えた最大12個のマイク入力を搭載しています。CFカードとSSDドライブへの冗長録音を使用し、10MHz基準信号によるタイムコード同期を提供し、デジタル音声伝送のためのDanteネットワークプロトコルを統合しています。リチウムイオンバッテリーを使用した場合、典型的な稼働時間は8~12時間で、外気温は-20℃から+60℃まで対応します。本体重量は1.2kg(664)から3.8kg(833)で、防塵・防滴性能はIP54等級に準拠しています。
歴史と開発
Matt Andersonは、ShureとLectrosonicsでオーディオ機器を開発した後、1998年にウィスコンシン州リードズバーグでSound Devicesを設立しました。最初の製品であるMP-1(Mobile Pre)は、超低ノイズのマイクプリアンプとして1999年に登場しました。2002年には、タイムコードを内蔵した初のハードディスクレコーダーである744Tが登場し、ロケーションレコーディングに革命をもたらしました。2018年に導入された32ビットフロート技術を搭載したMixPreシリーズは、オーバーロードを完全に排除しました。2020年には、8シリーズでセットにおけるIPベースのオーディオネットワーキングの新たな基準を確立しました。
映画での実用例
「1917」(2019年)では、サウンドミキサーのStuart Wilsonが、軽量であるためモバイル録音を可能にするSound Devices 664を、複雑なステディカムシーケンスに使用しました。Netflixのプロダクションでは、48kHz/24ビットの技術的デリバリー要件を満たすために、標準で833レコーダーを使用しています。典型的なロケーションワークフローでは、最大8系統のワイヤレスマイクをメインレコーダーに接続し、個別のISOトラック(アイソレートトラック)で各マイクを個別に録音します。これらの機器は、BNCタイムコード出力経由でデジタルカメラと自動的に同期し、Pro Toolsインポート用のXMLファイルを作成します。
比較と代替案
Sound Devicesは主に、同様のマルチトラック機能を提供するZaxcom(NovaMix)およびAaton Cantarシステムと競合しています。Zaxcomの機器はワイヤレスマイクレシーバーを本体に直接統合していますが、Sound Devicesは外部レシーバーを優先しています。予算重視のプロダクションではZoom F8nレコーダーが代替となりますが、熱安定性やマイクプリアンプの品質はプロフェッショナルシステムには及びません。ドキュメンタリーチームは、ラン・アンド・ガン(Run-and-gun)の状況ではコンパクトなMixPreモデルを選択することが多く、一方、長編映画プロダクションは、拡張されたルーティング機能を備えた8シリーズ機器に頼っています。