Schoeps CMIT:自己ノイズ10 dB-Aのコンパクト・スーパーカーディオイド型ショットガンマイク。狭い空間でのブーム録音に最適で、長いショットガンが使えない環境での使用に向く。
技術的詳細
CMIT 5Uは48Vファンタム電源で動作し、最大音圧レベル133dB SPLを達成します。周波数特性は40Hzから20kHzまでで、明瞭度向上のため10kHz付近に意図的なブーストがあります。自己ノイズはわずか10dB-Aと、非常に低いです。スーパーカーディオイド特性は、1kHzで約60°の指向性を持ちます。マイクには40Hzのローカットフィルターと、切り替え可能な10dBパッドが搭載されています。CMIT 5のバリアントは、ファンタム電源なしで内蔵バッテリーで動作します。
歴史と開発
Schoepsは、よりコンパクトな指向性マイクへの需要に応えるため、2005年にCMIT 5Uを発売しました。1948年にKarl Schoepsによって設立されたドイツのメーカーSchoepsは、すでにSennheiserのMKHシリーズと競合していましたが、さらに短いショットガンマイクを開発したいと考えていました。2010年にはバッテリー駆動のCMIT 5が登場しました。2012年のSuperCMIT 2Uは、ノイズリダクションアルゴリズムを内蔵したデジタルモデルでシリーズを拡張しました。
映画での実用例
サウンドエンジニアは、CMIT 5Uを、長いショットガンマイクが実用的でない狭い空間でのブームマイクとして好んで使用します。映画「グランド・ブダペスト・ホテル」の屋内撮影では、そのコンパクトな設計により、カメラに映り込むことなく精密なマイキングが可能になりました。このマイクは、複数のスピーカーがいる対話シーンに特に適しており、その適度な指向性は、非常に指向性の強い競合モデルよりも自然な空間音響を捉えます。風の影響を受けにくいことも、追加のウインドスクリーンシステムを不要にすることが多い理由です。
比較と代替案
業界標準であるSennheiser MKH416と比較して、CMIT 5Uはよりアグレッシブでない指向性と、より自然な音響特性を提供します。Rode NTG3は約半額ですが、Schoepsほどの低ノイズ性能は達成していません。屋外収録では、多くのサウンドエンジニアがSennheiser MKH 60のような長いショットガンマイクを好みますが、CMITは管理された屋内環境でその強みを発揮します。Audio-Technica AT4073aやDeity S-Mic 2は、同様のコンパクトさを持つより安価な代替品として位置づけられていますが、ドイツのオリジナル製品の製造品質には及びません。