原素材と同じカメラセットアップ及びフレーミングで後撮りされた補完ショット。インサート、リアクションショット、及び既存シーンの追加カバレッジを含む。
技術的詳細
ピックアップショットは、元の素材との厳密な技術的連続性を必要とします。つまり、カメラ設定、焦点距離、露出値、色温度が同一でなければなりません。撮影は通常、同じカメラ機材を使用し、ISO感度は800〜1600の間で行われ、粒子感とルックを合わせます。主な3つのタイプは、インサートショット(オブジェクトの詳細撮影)、リアクションショット(後から追加するリアクション設定)、カバレッジ・ピックアップ(既存のシーンのための追加カメラ位置)です。露出の許容誤差は、オリジナルから最大±0.3段までです。
歴史と発展
ピックアップ撮影は、D.W.グリフィスが「國民の創生」で後からディテールショットを追加した1915年のサイレント映画時代に始まりました。1930年代のスタジオシステムの導入により、標準化されたピックアップユニットが確立されました。1975年、ジョージ・ルーカスは「スター・ウォーズ」で、ターゲットを絞ったピックアップの必要性を特定する体系的なテストスクリーニングを通じて、このプロセスに革命をもたらしました。1990年以降のデジタル革命は、LUTベースのワークフローによる後続撮影の正確なカラーマッチングを可能にしました。
映画における実践的応用
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015年)は、主に走行中の車内での俳優のクローズアップのために、18日間のピックアップ撮影を行いました。マーベル・スタジオは、テストスクリーニングのフィードバックを反映させるため、標準で1作品あたり15〜20日間のピックアップ撮影を計画しています。典型的なワークフローは、ラフカット → テストスクリーニング → ピックアップリスト → 3〜7日間の撮影 → 統合です。利点には、物語の洗練と技術的な修正が含まれます。欠点には、コストの増加、俳優の都合の問題、ロケーションや季節の変化による連続性の問題の可能性が含まれます。
比較と代替案
ピックアップショットは、その補完的な性質においてリシューツ(撮り直し)と異なります。リシューツはシーン全体を撮り直すのに対し、ピックアップは素材をターゲットを絞って追加します。追加撮影(Additional Photography)は、これらの両方の概念を包括的な用語として含みます。インサートユニットは、主役なしで作業することが多いですが、ピックアップユニットは主役を必要とします。現代の代替案には、俳優の都合の問題を補うCGIの追加やデジタルフェイスリプレイスメントが含まれます。VFXピックアップは、キャストとクルー全員による従来の撮影よりも40〜60%安価です。