壮大な建築を下から上へ向かって撮影する極端なワイドアングル——圧倒的な雄大さと人間の小ささを同時に表現。
巨大な建造物の真下で、カメラをぐっと上に向けると、突然、被写体全体が建築物に覆い尽くされ、人物はアリのように小さくなってしまう。これが「パンテオン・エフェクト」だ。これは、広角レンズで下から見上げるように撮影し、記念碑的な構造物を誇張して表現することで、見る者に物理的な圧迫感を与える。この歪みは意図的であり、記録的なものではなく、心理的に作用する。
実際には、14mm、10mm、あるいはそれ以上に極端な超広角レンズが必要になる。焦点距離が短いほど、遠近法による歪みは強くなる。重要なのは、興味のあるポイントの真下にカメラを置くことだ。実際のパンテオンの撮影では、ドームの眼(オクルス)の穴、他の建物では最も高い垂直線になる。地平線は理想的には画面の下方に消えるか、全く見えないようにする。被写体は上方の消失点に向かって収束し、強烈な奥行き感を生み出す。撮影現場では、安定させることが肝心だ。正確に上を向くように調整できる雲台付きの三脚が役立つ。手持ちでも可能だが、意図しない限り、すぐに不安定で神経質な印象になりがちだ。
この効果は、前景に人物がいる場合に最も強く発揮される。人物の通常のサイズと、巨大な壁や柱、ドームとの対比が、セリフだけでは生み出せない緊張感を生み出す。単に建築物を見せるだけでなく、孤独感、畏敬の念、無力感をも表現する。スリラーシーンでは恐ろしく、叙事詩的な映画では荘厳に見える。シュワルツェネッガーの映画では、このキャラクターを小さく見せる、あの巨大な建造物が好んで使われた。
照明に関する注意点:上から本物の空の光が入ると、上部(露出オーバー)と下部(暗い)の間に強いコントラストが生まれやすい。これは演出に利用するか、ムードに応じて補正する。HDR撮影がここで役立つ。また、超広角レンズではレンズの歪みに注意が必要だ。バレル歪みが大きいレンズでは、直線がバナナのように曲がってしまうことがある。これは意図的な場合もあるが、多くはミスだ。自分のレンズを知ることが重要だ。これはパンテオン・エフェクトの欠陥ではなく、使いこなす必要がある特性である。