プロフェッショナルカメラ向けPCIeインターフェース搭載メモリーカード規格。4K RAWレコーディングで440 MB/sの書き込み速度を実現し、フレームドロップなしでの記録に対応。
技術仕様
XQDカードはPCIe Gen2 x1インターフェースをベースとし、NANDフラッシュメモリを使用しています。カードのサイズは38.5×29.8×38.5mmで、CompactFlashカードよりもコンパクトです。容量は32GBから440GBまで利用可能で、書き込み速度はモデルによって168MB/sから440MB/sまで変化します。カードは-25℃から+85℃の温度範囲で動作し、1500Gまでの衝撃や磁場から保護されています。18ピンインターフェースは、パラレルデータチャネルを通じて高いデータ転送レートを可能にします。
歴史と開発
ソニー、ニコン、サンディスクは、プロフェッショナルデジタルカメラの増加する要求に応えるため、2010年にXQD規格を開発しました。最初のXQDカードは2012年に市場に登場し、同時にニコンD4がXQD対応の最初のカメラとして発売されました。2014年、ソニーは400MB/sの高速Gシリーズカードをラインナップに追加しました。2017年以降、この規格はCFexpress Type Bへと進化し、同じ物理的フォームファクタをベースにしていますが、PCIe 3.0を使用し、最大1,700MB/sの速度を達成しています。
映画での実用例
XQDカードは、ソニーFX9やニコンZ9のようなカメラで、フレームドロップなしに4K RAW素材を記録することを可能にします。ドキュメンタリー映画「Free Solo」(2018年)では、撮影チームは極限環境での長時間の非圧縮撮影シーケンスのためにXQDカードを使用しました。高い書き込みレートは、速いシーンの切り替えやアクションシーケンスでのバッファオーバーフローを防ぎます。堅牢なフォームファクタは、振動が発生するハンドヘルド作業やジンバルセットアップに適しています。欠点としては、SDカードに比べてコストが高く、カメラの互換性が限られていることが挙げられます。
比較と代替手段
XQDは、SDカード(最大300MB/s)やCompactFlash(最大160MB/s)と比較して、大幅に高い速度を提供します。CFexpress Type BはXQDの後継として登場しましたが、同じカードスロットを使用し、部分的に下位互換性があります。XQDは主にハイエンドカメラで使用されますが、標準的なHD制作ではSDカードの方が経済的です。パナソニックのP2カードは同様の速度を達成しますが、サイズが大きく高価です。選択は、カメラの互換性とプロジェクトで必要とされるデータレートによって決まります。