Vision Research製高速カメラ。1280×800ピクセルで最大175万fps、4K解像度で28,325fpsの極限スローモーション撮影が可能。
技術詳細
Phantom TMXシリーズは、175万fpsで最大解像度1280×800ピクセルを達成する一方、Phantom Flex4Kは4K解像度で最大28,325fpsを実現します。心臓部には、グローバルシャッターを備えた高感度CMOSセンサーが搭載されており、すべてのピクセルを同時に露光することでローリングシャッター歪みを排除します。最大288GBの内蔵RAMは、膨大なデータ量をバッファリングする役割を果たします。カメラは、最大フレームレートで最低100,000ルクスの光量を必要とするため、18,000ワットのHMIライトが頻繁に使用されます。
歴史と開発
Vision Research社は、1989年に軍事用弾道試験のために最初のPhantomカメラを開発しました。映画撮影に対応したPhantom HDは2007年にデビューし、ハリウッドのメインストリームにハイスピード撮影を確立しました。2012年には4K対応のPhantom Flex、2016年には記録的な速度を誇るTMXシリーズが登場しました。当初、システムは50万ドル以上でしたが、現在ではエントリーモデルが15万ドルからとなっています。
映画での実用例
ザック・スナイダーは「300」(2006年)で特徴的なスピードランピング・シーケンスにPhantomカメラを使用し、「シャーロック・ホームズ」(2009年)では爆発や戦闘シーンを極端なスローモーションで捉えました。ギャビン・フリーは「The Slow Mo Guys」でオンラインエンターテイメントにPhantom撮影を確立しました。典型的なワークフローでは、1,000~10,000fpsで撮影し、1秒の実時間が25fpsで40秒の映像になります。カメラは専門的な技術者を必要とし、1回の撮影日あたりテラバイト級のデータ量を生成します。
比較と代替手段
Phantomカメラは、デジタルシネマカメラの標準的なハイスピードモードとは異なり、科学的な精度と極端な速度が特徴です。REDカメラが4Kで最大300fpsを達成するのに対し、Phantomはそれを100倍上回ります。代替手段としては、PhotronカメラやWeisscam HS-2がありますが、Phantomシステムほどの画質と解像度には達しません。予算重視のプロダクションでは、180fpsのSony FS7のような最新カメラでも十分なスローモーションオプションを提供します。