Hasselblad中判カメラ用Zeiss Planarレンズ、80mm焦点距離、f/2.8絞り。映画製作中のスチル撮影に主に使用。
技術的詳細
光学設計は、古典的なプランナー方式に基づいた4群5枚構成で、対称的な構造になっています。イメージサークルは対角線88mmの6x6cmフォーマットを完全にカバーします。最短撮影距離は0.9メートル、フィルターネジ径は67mmです。レンズの重量は470グラム、長さは66mmです。絞りはf/2.8からf/22まで半段刻みで動作し、最適な画質はf/5.6からf/11の間で得られます。1957年から2013年の間に様々なバージョンが登場し、その中には1/500秒から1秒までのセンターシャッターを備えたCFモデルも含まれます。
歴史と開発
カール・ツァイスは、1957年にハッセルブラッド1000F向けに最初のPlanar 80mmを開発しました。この設計は、1896年のパウル・ルドルフのプランナー特許に遡りますが、中判フォーマット向けに再計算されました。1970年にはコーティングが改良されたCバージョン、1982年にはセンターシャッターを備えたCFバージョンが登場しました。1988年の最後のCFEモデルは、新しいハッセルブラッドボディ用の電子シャッター接点を備えていました。生産は、Vシステムの生産終了とともに2013年に終了しました。
映画での実践的な使用
Planar 80mmは、主に映画製作中のスチル写真や広告撮影に使用され、動画撮影にはあまり使われませんでした。デビッド・ベイリーのような撮影監督は、1960年代にボンド俳優のポートレート撮影にこれを使用しました。スタンリー・キューブリック監督の「バリー・リンドン」(1975年)では、このレンズでスチル写真が撮影されましたが、実際の映画撮影には35mmカメラに改造されたツァイスレンズが使用されました。f/2.8での浅い被写界深度は、正確な被写体分離を可能にしますが、ハッセルブラッドのマットスクリーンでの正確なピント合わせが必要です。
比較と代替案
ハッセルブラッドDistagon 50mmと比較して、Planar 80mmは広角レンズ特有の歪みがない、より自然なプロポーションを提供します。RB67システム用の競合するマミヤ80mm f/2.8は、より大きなイメージフォーマットで同等の光学性能を達成します。現代の代替品としては、GFXシステム用の富士フイルムGF 80mm f/1.7や、Phase One 80mm f/2.8 LSがあります。デジタル映画製作では、現代ではツァイスOtus 85mmのようなフルサイズレンズがクラシックな中判セットアップを置き換えていますが、6x6フォーマット特有の画像雰囲気を再現することはできません。