Bausch & Lomb レンズシリーズ(1938-1973)、ソフトフォーカスと特有のbokehで知られ、1950年代ハリウッド撮影を支配。
技術的詳細
バルターシリーズは25mmから152mmの焦点距離をカバーし、標準的な50mmレンズ(f/2.3)が最も広く使用されていました。光学設計は、焦点距離に応じて4〜6枚のレンズエレメントを持つ、改造されたクック・トリプレット設計に基づいています。50mmモデルは、67mmのフロント径で1.2kgの重量があり、52mmのフィルターネジを使用していました。バルターレンズの典型的な特徴は、開放絞りでの被写界深度の浅さと、光学系の球面収差による特徴的なボケ味でした。
歴史と開発
バウシュ&ロム社は、カラーフィルムの需要の高まりに応えるため、1938年に最初のバルターレンズを開発しました。1942年、同社はバルターシリーズでアカデミー・オブ・モーション・ピクチャー・アーツ・アンド・サイエンスからテクニカル・アチーブメント・アワードを受賞しました。1950年代にはバルターレンズがハリウッド作品を席巻しましたが、1960年代以降、よりシャープなツァイスやアンジェニューの光学系に徐々に取って代わられました。バウシュ&ロム社がシネマレンズ事業から撤退した1973年に生産は終了しました。
映画での実用例
ジョン・フォード監督は、アイルランドのロマンチックな雰囲気を捉えるために、「静かなる男」(1952年)でバルターレンズを使用しました。撮影監督のジェームズ・ウォン・ハウは、「成功の甘い匂い」(1957年)のニューヨークの夜のシーンで、低照度でも実用的なシャッタースピードを可能にするため、それらを使用しました。バルターレンズのソフトなルックは、肌の欠点を自然にカバーするため、特に女性主演者のポートレートに適していました。50mmレンズの0.9mという短い近接撮影距離は、追加のクローズアップレンズなしで、強烈なクローズアップを可能にしました。
比較と代替案
よりシャープなクック・スピード・パンクロに比べて、バルターレンズはマイクロコントラストの少ない「ソフトな」ルックを生み出しました。バウシュ&ロム・スーパー・バルターやシネオビジョン・バルター・アダプテーションのような現代のリイシューは、デジタルカメラのために特徴的なルックを維持しようとしています。今日のヴィンテージ愛好家は、ノスタルジックなルックが求められるミュージックビデオやCMのために、ARRI AlexaやREDカメラでオリジナルのバルターレンズを使用しています。