クリーンな信号とデジタルノイズの比率——S/N が高いほど、高 ISO でもノイズが少ない。低光撮影の鍵。
センサーにはノイズが発生します。これは欠陥ではなく物理現象であり、そのノイズにどれだけうまく対処できるかが、使える素材と使えない素材を分ける鍵となります。信号対雑音比(SNR)は、本来の画像信号に対して電子的なノイズがどれだけ大きいかを表します。具体的には、夜間や暗い屋内で撮影する際にISO感度を上げなければならない場合、画像がどれだけクリーンに保たれるか、あるいはどれだけ粒子感が出るかがすぐにわかります。
数学的な背景は単純で、有用な画像情報とノイズの比率に関係します。信号対雑音比が高いカメラ(dBで測定)を使用すると、同じ照明条件下でより低いISO感度を維持したり、より高いISO感度でも許容範囲内で使用したりできます。これは重要です。5D Mark IVであれば、ISO 3200でも粒子感を気にする必要はありませんが、古い5D Mark IIではISO 1600から不快なほど目立つようになります。この違いはセンサー設計、つまりピクセルサイズ、電子回路、読み出し構造のインテリジェンスにあります。
撮影現場では、その違いはすぐに実感できます。夜間シーンを撮影し、ISO 1600、絞り2.0に設定したとき、カメラがまだクリーンでディテールのある画像を生成できれば、それは高いSNR比の証拠です。逆に、SNR比の低いカメラで撮影した場合、ISO 800でもすでに粒子パターンが見え始め、後でグレーディングで画像から除去することはできません。これはカラーグレーディングにも影響します。ノイズの多い素材は、アグレッシブな補正を許容しません。
重要:信号対雑音比はダイナミックレンジと同じではありません。センサーは広い範囲の明るさと暗部を捉えることができますが、暗部では早くからノイズが発生する可能性があります。逆に、高いSNR比を持つ新しいセンサーでも、ダイナミックレンジが限られている場合があります。プロジェクトにカメラを選ぶ前に、両方の仕様を知っておく必要があります。低照度での撮影やグレーディングを多用するプロジェクトでは、これは譲れません。クリーンなシャドウ素材は、編集時間を節約し、カラーグレーディングの際の安心感を与えてくれます。